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梅雨入りしたと思ったらいきなりの夏日です。こういう時こそじんわりと汗ばむカレーを… と流石に毎日カレーばかり食べているわけにもいかず、久しぶりに蕎麦を食べに行くことにしました。

社屋移転前の小伝馬町/馬喰町ではほぼ行きつけの東京バッソかめやという二大巨塔が君臨してましたので、昼食難民になったらどちらかに飛び込めば間違いはないという安心感がありましたが、神保町に越してからというものひたすらエンゲル係数は上がるばかり。流石に街なか観光地、気楽に飛び込める立ち食い蕎麦ほどありがたいものはありません。

さて今回訪問の嵯峨谷。マツコの知らない世界をはじめマスコミにも度々取り上げられている十割蕎麦のお店。神保町駅前にもあるということを聞きつけ、とりあえず飛び込んでみることにしました。

もり蕎麦に鰯ごはんがついて480円、二枚もりでもワンコインで収まる価格設定は東京バッソをはじめとする最近のトレンドです。名のある有名店はもちろん旨いんでしょうが、通勤駅の改札内の立ち食い蕎麦ほど郷愁を誘うものはありません。


(c) 2006 押井守・Production I.G / 立喰師列伝製作委員会

券売機でチケットを購入し店奥のカウンターに出すとしばらくすると番号を呼ばれて取りに行くというセルフスタイルです。暑いさなかのもり蕎麦ほどありがたいものはありませんが、正直なところ格安立ち食い店ではたとえ大盛りであれどしばらくすればその味に飽きが来てしまうという致命的な欠点があります。その部分を見事に補うべく用意されたのが鯵ご飯、というわけでしょうか。そもそも「鯵」と魚偏が着いた時点で心躍るのは、普段からあっさりとした立ち食いに慣れ親しんだ者にとっては正に夢の世界なのです。

で。正直なところよく頑張っているとは感じましたがそれほど諸手を挙げて絶賛するほどなのかはちょっと疑問。ワシワシとした麺の歯ごたえには好感が持てるものの、汁が弱くあっという間に飽きが来てしまいました。とは云え上を見ればキリはなく、ワンコインでこの量と食べごたえが来ることを考慮すれば十分に及第点は超えているのでしょう。これは残念ながら比較の問題で東京バッソという稀代の銘店に出会うことがなければ納得ができたのかも知れません。例の「鯵ごはん」についても旨いんだが、ただ単にそれを超えてくるなにかが足りない。

企業努力の賜物でもり蕎麦280円という驚異の値段を叩き出している姿勢には感銘しますが、たとえもう200円、いや100円値上げしたとしても必ずまた喰うという確固たる決意を後押しする味、値段が安いから通うというポイントからあと一歩だけ前のめりのなにかが欲しいと切に願う昼下がりでした。

広告制作ディレクター & サウンドデザイナー。広告制作の傍ら、Ko ASHIDA・rudimentary echo・sizk名義などで楽曲制作・インタラクティブメディア制作を行っています。とにかくなんでも「つくる」のが大好き。音楽・料理・DIYなど思いついたものをどんどん作ってます。



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