今日のアルバム Tim Hecker : Ravedeath 1972 (2000)
Tim Heckerって音響エレクトロ系っていう縛りになるでしょうか。ノイズを基調としたアンビエント・ドローン界の方です。初期の作品に比べてよりメロディがはっきり聴こえるようになってきて聴きやすい印象は受けるけれど、やっぱり全編通してノイズまみれ。今作は教会音楽のような解りやすくも荘厳な空間構成で重奏的に響く繊細な一枚。やはり聴いてると淋しくなってきます。
ほんとにノイズミュージックってなんだろう。ノイズって一般的には明らかにネガティブな印象を持たれると思うけど、キリキリと胸を締め付けられるようで美しく切ないジャンルだと思う。ノイズにもいろいろあって、爆音・轟音で攻めてくるようなものもあれば、このアルバムのようにノイズの壁の向こう側にちらちらっとモノクロ写真が透けて見えるようなそういうものもある。実はかなり許容量の広いジャンルなのかもしれないね。